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2014年11月29日

横断歩道

今までブログにアップしてきた原稿はほとんど法律に関係がないもので、「あいつ、ホンマに弁護士か?」と思われてもよくないので、若干法律に関係のあることをアップします。
普段よく眼にする横断歩道ですが、道路と直角に白のペイント(道路標示)が塗ってあると思い込むことが多いと思います。

写真は私の事務所から裁判所へ行く間にある横断歩道です。
横断歩道
横断歩道
横断歩道
横断歩道

「道路に直角」に見えますか?
交差点と反対側のペイントが明らかに斜めになっています。
これはどういうことでしょう?

まず道路交通の安全と円滑のために定められた道路交通法によれば、横断歩道とは「道路標識又は道路標示により歩行者の横断の用に供するための場所であることが示されている道路の部分」(2条1項4号)、交差点とは「十字路、T字路その他二以上の道路が交わる場合における当該二以上の道路の交わる部分」(同5号)、歩行者の「横断の方法」として「歩行者は、道路を横断しようとするときは、横断歩道がある場所の附近においては、その横断歩道によつて道路を横断しなければならない。」(12条1項)と定められています。
そして都道府県公安委員会は、政令の定めるところにより、信号機又は道路標識等を設定し、管理して、道路における交通の規制をすることができると第4条によって定められています。
北九州市のホームページ(「横断歩道の位置について」)によると、「1)可能な限り、歩行者の自然な流れに合致させる。2)横断歩道はできるだけ車道に直角に設置する。3)横断歩道はできるだけ交差点の中心部に寄せる。(これは交差点のエリアをできるだけ小さくすることにより、交差点内での交通事故を少なくしようとするものだそうです。)4)横断歩道は運転者から視認しやすい位置に設ける。5)横断歩道の長さは15m.以下とすることが望ましい。」という原則があるようです(多分福岡県公安委員会規則か何かに拠るものだと思います。)。

さっきの写真の横断歩道と交差点は下の地図の場所です。
横断歩道

つまり堺筋(難波橋北側)から新御堂筋へのバイパスが後年(といってももう大分以前ですが)できた際の道路で、そのため2つの交差点はいずれもかなりの変形交差点となっています。
 そして道路交通法2条1項5号に定める「交差点」の解釈の仕方として、ⅰ側線延長方式、ⅱ始端結合方式、ⅲ始端垂直方式、ⅳ車両衝突推定地点方式という4つがあるそうで(私も詳しく知りません。)、裁判例はⅱの始端結合方式を採用しているようです。
 この説によると、交差点とは「道路の各側線の始端を結ぶ線によって囲まれた道路の部分」といことになります。
 この説に従い図面に交差点を書いてみると、斜線部分が交差点ということになります。
 
 そこでさっきの原則3)を当てはめてみると、なぜあのようにななめの横断歩道となっているのかが分かりました。
 しかし、そのことによって2)の直角原則はどうなるのか?また1)の歩行者の自然な流れに合致しているとは言い難いように思うのですが。



Posted by 弁護士 島村 和行  at 23:35 │Comments(0)

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